2005-01-01から1年間の記事一覧

今年一年お世話になった音楽たち

ヴェルディ:レクイエムアーティスト: ゲオルギュー(アンジェラ),アラーニャ(ロベルト),スウェーデン放送合唱団,エリック・エリクソン室内合唱団,オルフェオン・ドスティアーラ合唱団,ヴェルディ,アバド(クラウディオ),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団出…

今年一年お世話になった音楽たち

今年よく聞いたCDアルバムたち。去年から持ち越しのものもあるし、数年間飽きずに聞いているのもあるし、今年買ったものもあった。音楽を選択するさいに絶対的な影響をもたらすものは、いい加減なようだがそのときのぼくの気分で、似たような気持ちのとき…

あたりとはずれ

生牡蠣にあたって家で養生すること三日。漸く調子が出てきて、四日ぶりに外出する。家の中とは比べものにならないくらい外は寒くて、毛糸の帽子を被って買い物に出掛ける。よくいちどあたると同種や同一の食べのを見ただけでも、どこか具合が悪くなるなどと…

手紙を入れたガラス瓶

メルヴィルのバートゥルビーを読んだ。トラウマチックな読書体験だった。どうやらメルヴィルと肌が合うのか? と自分で考えたけれども、その肌が合うという言葉は、あまりにも卑近で、一方的に親密すぎて、なにかを損ね、おぼろげに見え始めたよくわからない…

会話から人物の内面へ

例えばそれが日常の会話であっても、そこに様々な情報が含まれるわけだけれども、それを聞く側や、話す側はどこまで意識して聞いたり話したりしているのだろうか。会話というのは乱暴に限定せずにいってしまえば、当然言葉の羅列であるわけだけれども、その…

メルヴィルのうさんくささと過剰/『避雷針売り』(その2)

その1で極端折って避雷針売りの展開を書いたのだけれど、最後わたしは避雷針売りを家から追い出す。つまり避雷針を買うこともなく、家にも立てずに、避雷針売りはわたしの家から出て行く。日本の原稿用紙にすれば恐らく僅か三枚か四枚程度のなかでそれが描…

メルヴィルのうさんくささと過剰/『避雷針売り』(その1)

メルヴィル中短篇集 (八潮版・アメリカの文学)作者: ハーマンメルヴィル,原光出版社/メーカー: 八潮出版社発売日: 1995/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る その男は「すばらしい雷鳴ですな」といって訪ねてくる。外では壮大な乱れきった雷…

読み返してみて

汚い話しで恐縮なのだけれど、昼間吐いたあとに書いた日記を読み返してみて、しまりがないというか、だらだらとしていて、そのときの二日酔いの気分がそのまま文章になったみたいな日記をいま見て、呆れると共に、危険な言い方だと十分承知のうえなのだけれ…

昨夜のゴミと今朝のゴミ

昨晩唐突に部屋の中で目に付く余分なものが気に掛かりはじめた。空のワインボトルや古い携帯電話。それからその充電器や、今更やることのないプレイステーション。壊れたビデオデッキがクローゼットのなかにしまってあるのも思い出し、本棚の隅に栞が無造作…

保坂和志と運動会/『コーリング』

もうかなり以前のことだけれど、保坂和志の小説にぼくがはじめて触れたのが、コーリングで、ぼくはそれきり保坂和志をしばらく読まなくなった。どうしてなのかというと、コーリングという小説があまりにも小説として酷くなにかにとらわれすぎた印象に読めた…

パンの記憶

特に理由はないが、トースターを買って朝はパン食にすることにした。ジャムを何種類かと、ピーナッツバターを大量に買い込んだ。朝起きて、トースターから食パンが飛び出すのを待つ。トースターというものをいままで自家で持ったことがなかったので、あまり…

バンドバトン

ええ、id:ishmaelさんより、バンドバトンということで、最近というかここ数年で音楽の嗜好ががらりと変わってしまって、最近のバンドというのが、ちょっとわからないので、思い出のバンドということで、『ACE OF BASE』 もう10年近くも前になるんで、存在…

ブログやっててよかった

アウシュヴィッツの残りのもの―アルシーヴと証人 / ジョルジョ・アガンベン 非常に興味深く拝読させていただいて、なにかをどうしてもコメントさせていただきたいような気持ちになったのですが、なにをどうコメントしていいのやらといった具合に、くらくらと…

サルトルな朝(その1)/『部屋』

朝起きると三時間しか寝ていないのに、どういったわけか、すがすがしい目覚めで、わけあって読むことにしていたのに読んでいなかった『水入らず』という短編集の中の、壁を思い出して探した。サルトルの短編のなかでもなかなかに評判のいい『壁』という行き…

現実という見通しのわるさ/『エレファント』

テレビをつけたらWOWOWでやっていたので見入ってしまった。コロンバイン高校の銃乱射事件を扱った映画なのだけれど、構成が非常に変わっている。被害者と加害者をそれぞれごったに交錯しながら捉え、ひとりひとりを背後からの映像で捉えていくドキュメンタリ…

小説としてのサルトルの小説/『部屋』(その2)

ダルベダ婦人はトルコ菓子をつまんだ。その上にふりかかっている砂糖の薄い粉を吹き飛ばさないように息をひそめて、静かに唇に近づけた。薔薇みたいな香りだわと思った。そして不透明なその肉にふいに噛みついた。口のなかが、腐ったような香りでいっぱいに…

冬に右脳検定

http://d.hatena.ne.jp/pulp_literature/20051113#p2記録所/Pulp Literatureさん経由で検定 http://passpal.co.jp/uno/brain-check.html 協調性と周囲にまったく関心なしのぼくはやはり社長にはなれないらしい。別になりたくないのに悲しいのはどうしてだろ…

賞と綿谷りさ/『蹴りたい背中』

長所といえば、やはりヴィジュアル。それは、まあ本当であって冗談なのだけれど、そのほかにこの年齢。これは多分、肝心な武器なのである。そのほかには、どこか醒めたように浮上してくる、鋭い御指摘の数々は実に興味深く、拝聴に値する。 部員たちはちいさ…

アンインストール

インストールを買いに本屋へ行った。ぼくがよく行く本屋は三軒ある。いずれも岩波文庫の有無や講談社文芸文庫の数など、品揃えはおおきく変わらない。けれども、本を買い求めるときには大抵その三軒を回る。順番はいつでも変わらない。一軒目に行くのが、家…

派生するかも知れないし、派生しないかも知れない、ちょっとほんとにメモらしきもの。

なんの因果もなくだらだらと悪意や善意だけを抽出して描き出すことが、小説として成り立つのだろうかと、ぼくは今日ずっと考えていた。 その映像は高層ビルのアップからはじまる。8㎜フィルム。古い機材か、それともどこかしら故障しているらしく、映像の節…

角田光代の小説愛/『空中庭園』

記録所 / Pulp Literatureさんを見ていて、文庫が出ていて買ったはいいが、放って置きっぱなしだったのを随分と久方ぶりに思い出した。映画化することも知らなかった。なんでも小泉今日子が主演だそうなのである。そう思ってしまうと、読んでいるときにちら…

小説探求

小説のおもしろさといっても、多種多様でそれこそ数限りなく、受容する側によっても、ツボみたいな場所は変わってくるとおもうのだけれど。もの凄くミクロなことに絞って、ものごっつく自分勝手にテクニカルな要点となんとなく文章を書くときに実用できそう…

チェーホフは懐石/『かわいい女・犬を連れた奥さん』

チェーホフはいつ読んでもおいしい。おいしいといっても、スリリングな展開に毎度のこと胸がどきどきするとか、感動が荒波のように押し寄せてくるということではない。読後にじんわりとした感慨が、染み入るように広がってくるのだ。まるでよくできた懐石料…

猿ページ性交

Googleデスクトップをなにげにいれておいたら、消したのがサルページできたとさ。いやはや、すげええ!ちょっと感激!鼻水出そうだった!とりあえず、風邪気味なのである。そしてサルベージなのである。

カニサイクル/『カニクリームコロッケ』

とにかくカニクリームコロッケの偽物には注意してもらいたい。カニクリームコロッケとは、黄金色の衣に包まれ、赤珊瑚のような華美なハサミを角のように突き出した、見るに見事なプロポーションを保った楕円型の揚げ物のことだ。俵型をした、ハサミのないみ…

喜劇とは、役者とは誰のことか/『キング オブ コメディ』

ものすごく、といっても多分5、6年前になるのかと思う。テレビに高木美保という女優が出ていて、古舘伊知郎と喋っていた。おしゃれカンケイとか確かその辺の番組だと記憶しているけれど、那須に農地を100坪ほど買った。と高木美保が説明していた。ぼくが、農…

牛タン豚タン

例のひと(10.24不覚)からまた連絡が来て、「日記に強がったこと書くねえ」といわれた。きれいごと過ぎるとか、あざといとか、つまらなさの定義が曖昧だとか、おまえの書いてる物がいちばんつまらん、とかいわれるのかと思ったら、強がったこと? どこの部…

小市民

「もし、よろしかったら、寄付をお願いしているのですが」と、いわれたものだから、ぼくはよろしくないので、「それは、嫌です」と断った。そしたら、その女性は明らかに機嫌を悪くしたようで、「みなさん、払ってくださってますから、次回の更新時にはお願…

エイミーと弘美さん/『風味絶佳』

ぼくが読む本の総量の、女性作家と男性作家を推量で比率にしたら、だいたい1:9くらいになるのではないかと思う。なぜそうなるかというと、一冊つまみ食いしただけで、そのままその女性作家には大抵ぼくの興味がなくなってしまうからだ(作家の問題ではな…

不覚

知人から、もうすこし真面目に書きなさいと怒られて、全部削除してしまった。削除してしまってから酷い後悔をしている。たった二日間だけれど、書いてみてわかったのは、少なからずともなにかが身になるということで。ただ身になるといっても、なにかはっき…