あたりとはずれ

生牡蠣にあたって家で養生すること三日。漸く調子が出てきて、四日ぶりに外出する。家の中とは比べものにならないくらい外は寒くて、毛糸の帽子を被って買い物に出掛ける。よくいちどあたると同種や同一の食べのを見ただけでも、どこか具合が悪くなるなどというようなことを聞くのだけれど、生鮮市場で生牡蠣を見ても、別段なんの変化も起きなかった。地層のような堅い貝に閉ざされ、中身が見えないせいか、いますぐ食べろといわれれば、おそらく食べられるような具合で、だからといって食べたいわけでもないから、黙って隣のヤリイカを買う。ラップ越しに指で押さえるとイカは冷たかった。戻ってきてブログの巡回をすると、どこも大雪のようで、なんだかしらないが、うらやましくなる。窓を開けると風が一斉に吹き込んできて、部屋のなかが冷たくなる。駐車場を見下ろすと、やはりぼくのところには雪は降っていなくて、すぐに窓を閉めて食事の仕度をはじめた。