2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ファッションとパッション

夢中になって、おしゃれをすることはとても恥ずかしい。ぼくがそう思っていたのは中学二年生の頃で、そのころの休日といえば、学校近くのバス停で待ち合わせをして、それから誰それが履いてきた靴を褒めたり、誰それが被ってきた野球チームのロゴが入ってい…

中村文則とコンフリクト/『世界の果て』文學界1月号より

先月号の話しで恐縮なのだけれど、文學界1月号に中村文則の小説が載っていた。芥川賞受賞第一作目ということになるのだけれど、あまりの出来に唖然とした。未知なるものに出会って嬉々とするような唖然ではなく、どこか口を開けて呆然としながら疑義とした視…

正月葬送

なんか起きてからなにもやる気にならないし、これこそまさに正月なのだと納得をしつつ、昼間から剛毅にお酒でも飲もうと思ったらストックがないのであった。仕事仲間に先日振る舞ったはいいが、酔っぱらって、ありとあらゆるアルコールを出してしまったらし…

なんでだろう/訂正のお詫び

モーツァルトの書簡をもういちど読み直したら、これはどうみてもすべてが意図的で、どうしてぼくは変に読み間違えていたのだろうと思い、すごい憂鬱で怖くなった。以上の異常、頭の故障を踏まえて、大幅に改竄しました。しかし、それにしても書いていること…

残り続ける印象/『モーツァルトの手紙』

書簡の探しものをしていたら、なんとモーツァルトの手紙がでてきて、読むとおもしろくて、まるで小説のようだった。はじめて読んだのだけれど、モーツァルトはなんておもしろい文章を書くのだろう。自意識過剰なところを諧謔的に書いているのがこれまたうま…

平野啓一郎の視線のまずさ/『慈善』すばる1月号より

映画を見終わってブログを書いてまだ時間があったので、ちょっと『すばる』なんて読んでみた。はじめに高瀬ちひろの受賞1作目が載っていたのだが、最後の方まで読んで結局やめてしまった。たぶんこのひと川上弘美を意識しているのだろうけれど、そこに流れる…

妄想の現場を撮ったゴダール/『気狂いピエロ』

気狂いピエロ [DVD]出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ発売日: 2005/07/16メディア: DVD クリック: 55回この商品を含むブログ (78件) を見る 新年なのだから、もう少し然るべき時期にあった映画というものを観ればいいのになぜだか『気狂いピエロ』…