2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

保坂和志と運動会/『コーリング』

もうかなり以前のことだけれど、保坂和志の小説にぼくがはじめて触れたのが、コーリングで、ぼくはそれきり保坂和志をしばらく読まなくなった。どうしてなのかというと、コーリングという小説があまりにも小説として酷くなにかにとらわれすぎた印象に読めた…

パンの記憶

特に理由はないが、トースターを買って朝はパン食にすることにした。ジャムを何種類かと、ピーナッツバターを大量に買い込んだ。朝起きて、トースターから食パンが飛び出すのを待つ。トースターというものをいままで自家で持ったことがなかったので、あまり…

バンドバトン

ええ、id:ishmaelさんより、バンドバトンということで、最近というかここ数年で音楽の嗜好ががらりと変わってしまって、最近のバンドというのが、ちょっとわからないので、思い出のバンドということで、『ACE OF BASE』 もう10年近くも前になるんで、存在…

ブログやっててよかった

アウシュヴィッツの残りのもの―アルシーヴと証人 / ジョルジョ・アガンベン 非常に興味深く拝読させていただいて、なにかをどうしてもコメントさせていただきたいような気持ちになったのですが、なにをどうコメントしていいのやらといった具合に、くらくらと…

サルトルな朝(その1)/『部屋』

朝起きると三時間しか寝ていないのに、どういったわけか、すがすがしい目覚めで、わけあって読むことにしていたのに読んでいなかった『水入らず』という短編集の中の、壁を思い出して探した。サルトルの短編のなかでもなかなかに評判のいい『壁』という行き…

現実という見通しのわるさ/『エレファント』

テレビをつけたらWOWOWでやっていたので見入ってしまった。コロンバイン高校の銃乱射事件を扱った映画なのだけれど、構成が非常に変わっている。被害者と加害者をそれぞれごったに交錯しながら捉え、ひとりひとりを背後からの映像で捉えていくドキュメンタリ…

小説としてのサルトルの小説/『部屋』(その2)

ダルベダ婦人はトルコ菓子をつまんだ。その上にふりかかっている砂糖の薄い粉を吹き飛ばさないように息をひそめて、静かに唇に近づけた。薔薇みたいな香りだわと思った。そして不透明なその肉にふいに噛みついた。口のなかが、腐ったような香りでいっぱいに…

冬に右脳検定

http://d.hatena.ne.jp/pulp_literature/20051113#p2記録所/Pulp Literatureさん経由で検定 http://passpal.co.jp/uno/brain-check.html 協調性と周囲にまったく関心なしのぼくはやはり社長にはなれないらしい。別になりたくないのに悲しいのはどうしてだろ…

賞と綿谷りさ/『蹴りたい背中』

長所といえば、やはりヴィジュアル。それは、まあ本当であって冗談なのだけれど、そのほかにこの年齢。これは多分、肝心な武器なのである。そのほかには、どこか醒めたように浮上してくる、鋭い御指摘の数々は実に興味深く、拝聴に値する。 部員たちはちいさ…

アンインストール

インストールを買いに本屋へ行った。ぼくがよく行く本屋は三軒ある。いずれも岩波文庫の有無や講談社文芸文庫の数など、品揃えはおおきく変わらない。けれども、本を買い求めるときには大抵その三軒を回る。順番はいつでも変わらない。一軒目に行くのが、家…