書き手の文学

個性などと言うフレームワークはそろそろ潰してしまう問題は、そうした「面白みの無い存在」としての、つまり理念として演じられる自己や自我というのに則って物を考えたり書いたりするのは、ひどく簡単だということだ。ある書式を覚えこみ、それに適合する…

例の長いの、あれ、放っておいた訳ではないのです。

よし、書いてみるかな。と軽い気持ちで書き始めたのはいいのですが、ちょっと真面目に書いてみるか、いやいや、きちんと相応の努力と姿勢で書いてみましょう、と途中から思って、それほどのものでもないのに、続きを読みたいと言ってくださったのもあって、…

文体について

難しい問題ですが、敢えて触れます。 文体を模倣すると、展開までトレースしてしまう。これはかなり重要なことではないか。こと、というと核心が見えてこないから、ここでは敢えて問題といってもいい。文章を書く際に文体を模倣すると、展開までトレースして…

客観的に駄文を救う(了)  

昨夜のゴミと今朝のゴミ

昨晩唐突に部屋の中で目に付く余分なものが気に掛かりはじめた。空のワインボトルや古い携帯電話。それからその充電器や、今更やることのないプレイステーション。壊れたビデオデッキがクローゼットのなかにしまってあるのも思い出し、本棚の隅に栞が無造作…

アンインストール

インストールを買いに本屋へ行った。ぼくがよく行く本屋は三軒ある。いずれも岩波文庫の有無や講談社文芸文庫の数など、品揃えはおおきく変わらない。けれども、本を買い求めるときには大抵その三軒を回る。順番はいつでも変わらない。一軒目に行くのが、家…

小説探求

小説のおもしろさといっても、多種多様でそれこそ数限りなく、受容する側によっても、ツボみたいな場所は変わってくるとおもうのだけれど。もの凄くミクロなことに絞って、ものごっつく自分勝手にテクニカルな要点となんとなく文章を書くときに実用できそう…

カニサイクル/『カニクリームコロッケ』

とにかくカニクリームコロッケの偽物には注意してもらいたい。カニクリームコロッケとは、黄金色の衣に包まれ、赤珊瑚のような華美なハサミを角のように突き出した、見るに見事なプロポーションを保った楕円型の揚げ物のことだ。俵型をした、ハサミのないみ…

牛タン豚タン

例のひと(10.24不覚)からまた連絡が来て、「日記に強がったこと書くねえ」といわれた。きれいごと過ぎるとか、あざといとか、つまらなさの定義が曖昧だとか、おまえの書いてる物がいちばんつまらん、とかいわれるのかと思ったら、強がったこと? どこの部…

小市民

「もし、よろしかったら、寄付をお願いしているのですが」と、いわれたものだから、ぼくはよろしくないので、「それは、嫌です」と断った。そしたら、その女性は明らかに機嫌を悪くしたようで、「みなさん、払ってくださってますから、次回の更新時にはお願…